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 海外にて〜フランス編

vol.14 2003年春の旅
地中海のちゅら島コルシカ 1
トゥーロン発バスティアへ
 (3/1/2004)

 ★コルシカへはトゥーロン港から
 南仏ヴァール県の中心トゥーロン(Toulon)は昨年も訪れた港町〜フランス海軍基地に守られるように弓を描く海岸線と港の美しさは、町の背にあるファロン山(標高584m)に登れば納得だ。ロープウエイで登る方法もあるけれど、ガードレールも無く一歩ハンドル操作を間違えればあの世行き?の、一方通行の狭いクネクネ道を運転していくことも出来る。私は現地に住むMさんの案内によって借りたフィアットを恐る恐る運転し、砦のあるロープウエイ山頂駅で車を止めた。眼下に広がるトゥーロンの町と地中海に暫しうっとり…、あの海の向こうにコルシカ島がある〜そう、私は今晩ここトゥーロンの港からカーフェリーでコルシカ島に渡る〜輝く海を眺めていたら、運転でかいた冷汗はいつのまにか引いていた。

 さて、出発前にトゥーロン滞在の話しを少し…。
 トゥーロンへはパリ、シャルル・ド・ゴール空港駅から直通TGVで4時間半で到着。丁度いい大きさの町にはカルフールもあれば旧市街の商店街も、港のカフェとお土産屋、サッカー場、海水浴のできる砂浜もあり全て歩いて行くことができる。
 旧市街のメインストリート、クール・ラファイエット(Cours Lafayette)では月曜以外毎朝市場が立つ。3月中旬の市場の屋台にはスペインやモロッコ産のいちご、オレンジ、レモンなどの柑橘類、洋梨、りんごなどの果物、旬の野菜が並んでいた。そして長い市場通りを歩いていると私の鼻はパンの香りをキャッチした。屋台の後ろの商店街ではパン屋はすでに営業中〜名前は忘れたけれど石釜のあるそのパン屋では主人が薪をくべながら真剣な眼差しで焼き具合をチェックしていた。こういう姿にはすぐに釘付けになってしまう、所々焦げ色のついた、まるでピッツアのドゥのような石釜パンが焼きあがった瞬間ごくんっ、我慢できなくなりフーガスを指名〜まだ熱々のフーガスを朝市をぶらぶらしながらちぎって食べる、パリパリ薄い皮とモッチリな中身はちょっと厚いピッツァのドゥ、気付けばちぎるのをやめられなくなっていた。ニースで有名なひよこ豆のお焼き・ソッカのトゥーロン版・カドは今回も見つからなかったけれど…。

 旧市街にある
観光関内所に寄ったらトゥーロンのお菓子の展示があったので興味がわき訪ねてみることにした。旧市街の裏道にあるカイユー・デュ・ファロン(Caillou du Faron)という小さなショコラティエには展示してあった同名の石ころのようなショコラとベレ・デュ・ムース(Beret du Mousse=少年水夫のベレー帽という意味)、それに本格的なボンボンショコラも売られていた。これらはパッケージもかわいく最近開発されたお土産菓子なのだろうか、ダークチョコにホワイトチョコで蓋がしてあり真ん中に赤いぼんぼりのついた形は海軍の水兵がかぶるベレー帽、中はとろけるプラリネクリーム〜1箱150g入り9.3ユーロだからプラリネショコラにしてはそう高くなく味も悪くはなかった。
 またトゥーロンの周辺には趣のある村がたくさんある。今回Mさんに案内してもらったのはファロン山の裏側、車で20分ほど山を登ったところにあるル・ルヴェスト・レ・ゾー(Le Revest−Les−Eaux)、中世、サラセン人(イスラム勢力)防御のための典型的な鷲巣村だ。てっぺんの塔の廃墟からは眼下に湖が輝き、入り口には城があるが現在食料や雑貨を売る村のよろずやになっているのがユニークだ。近年ではこの地を気に入った芸術家達が住むようになり、村が美しく生まれ変わろうとしている。石畳の入り組んだ路地の壁を見上げれば、手描きデザインの陶器でできた通りのプレートがかわいらしい。芸術家村のプレートはえてしてこんな風でそれだけでもシャッターを切りたくなる〜フランスは見せることが得意な国だ。
 あいにくお菓子屋さんはなかったけれど、この村にはとっておきの蜂蜜があった。これもMさんの紹介で以前もらって食べて、それまでのラヴェンダー蜂蜜の中で一番感動した味だったのを思い出した。養蜂家Broncardさんの販売小屋の扉をノックすると、「ジャリーヴ(今行きます)!」と、お母さんらしき人が本宅から鍵を持って現われた。石造りの蜂蜜小屋には20種類ほどの蜂蜜が棚に並べられており、希望があれば試食させてくれる。棒アイスの木べらみたいなもので、瓶のなかからすくってそのまま舐める。薄い透明なイエローから濃いアンバー、結晶化したミルクジャム色のもの…同じ蜜蜂から採取するのに植物によってこんなにも違いがあるなんてフランスに来るまでは知らなかったことだ。もちろん香りも味も様々、一種類の花からとるものもあれば、夏終わりの森の花々なんていうミックス、さらに興味深いのは、サパン(モミの木)など花が咲かない木からは、木の樹液を吸うアブラムシのような小さな虫が出す粘液を蜂が集めてきたものだそうで〜だからサパンの蜂蜜はちょっと濃くてクセがあるのだろうか。。!? たんぽぽの蜂蜜を試食したMさんはこれはむしろお料理向きの個性的な味ね、などと話していると、宇宙人のような白い作業着を頭から全身かぶった父娘(と思われる)がやってきた。これから蜂の巣箱を置きに出かけるのに、私達の車が邪魔だったようだ。養蜂家はシーズンの花を追いかけてあちこち移動しながら生活するそうだ。私は試食し迷った末、夏の終わりの森の花々の蜂蜜(Miel de Foret)と蜜蝋で作った小さな蝋燭を買った。4.2ユーロだったと思う。薄いアンバーのサラリとした、ちょっと酸味を感じる上品で複雑な味が気に入った。本当はもっと欲しいのに500g入りが最小瓶、、、お土産屋さんではないので仕方ない。

 車を返却した後はぼーっと海を眺めるのに最高のムリヨン海岸を散歩したり、路線ボートで対岸の町へ渡ってみたり…いたるところ風光明媚。こうして数日滞在してみて、トゥーロンが生活するのに丁度良いサイズの町、Mさんがこの町を好きだというのがわかる気がした。そうそう、コルシカ行きのフェリー乗り場だって町の中心にあるのだ。

 コルシカ行きのフェリーは現在2社運航しているが、シーズンオフにトゥーロンから出航するのは新規参入イタリア系のコルシカフェリー社のみ。オンライン予約もできるようだけれど、私はトゥーロン港のオフィスで乗船3日前に行き手配した。夜発、朝バスティア着、船中1泊の船旅は安く済ませようと思えばプルマンといって船中中側のリクライニング席利用がある。これなら3000円程度の旅費。けれど一人旅だし、どうせなら海側の個室(窓なし個室クラスの上)で朝を迎えたい。84.7ユーロでトイレ&シャワー付き海側窓付き個室はホテル代と移動費を足して考えたら贅沢ではない、、だろう。

 夜、Mさんに見送られ港で乗船手続きをすると、車入り口の脇の立派なエスカレーターでフロント階に上がりチェクイン、部屋の鍵を受け取り同階のキャビンへと進んだ。室内は広く(一人利用なので当たり前か)清潔でシャワーはグローエで快適。船内にはコルシカ土産などを扱う売店、バーラウンジ、イタリア系だけにパスタカフェがあった。デッキへ出たけれど寒い。トゥーロンの夜景はさほど輝きはないけれど、市庁舎ビルの青白赤のトルコロールなライトアップが人目をひく、これもフランス的演出!?  フェリーは22:30分出航予定が1時間ほど遅れて出発した。


>>>つづく

▼写真は一部を除きクリックで大きく表示されます







1: トゥーロン旧市街クール・ラファイエットの朝市。石釜で焼いたフーガスは最高!
2: トゥーロンの観光案内所内に展示されていた名菓。
これはCaillou du Faron…ファロンの小石というプラリネショコラ
3: 同じくトゥーロン土産菓子のBeret du Mousse
…少年水夫のベレー帽という名のプラリネショコラ
4:ル・ルヴェスト・レ・ゾーの通りの手描きプレート
5: トゥーロン港を出発したコルシカフェリー。市庁舎のライトアップがトリコロール!


LE CAILLOU DU FARON *Chocolaterie
  Rue Alezard TOULON
  TEL:04.94.91.28.34


Apiculteurs a La BRONCARD
  1667 Route Gal De Gaulle 83200 Le Revest−Les−Eaux


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